絶対不等式の判定と解法を一枚図で整理|混乱を減らして今日の演習に使ってください!

おかめはちもくいぬ
おかめはちもくいぬ

遠回りを減らす近道は手順の固定化なのだ。

式の中に絶対値が現れると、解く前から「どこで分けるのか」と不安になりがちです。絶対不等式を丁寧に整理すれば、数直線と場合分けのルールが噛み合い、迷いが目に見えて減ります。どの順で境界を決め、どうチェックすればミスを避けられるのでしょうか?

  • 本文は代数操作と数直線の両輪で絶対不等式を解説します。
  • 一次から二次、連立、最大最小まで一連の流れを示します。
  • 典型形の比較表とチェックリストで手順を固定します。
  • 短い演習と解法テンプレで自力解決の精度を高めます。

この記事の狙いは、絶対不等式の混乱を「境界→分割→検証」の三段で解く型に置き換えることです。読み終えるころには、手を止めずに条件整理から答え確認まで一気に走り切れる見通しが持てます。

絶対不等式を定義と数直線でとらえ直す

絶対不等式を動かすエンジンは、絶対値の定義と距離の解釈です。|x−a|は数直線で点xと点aの距離に等しいため、「距離がK未満・以下・より大きい」の三つに読み替え、境界点の扱いを先に決めてから不等式を分割します。

定義の二本柱と不等号の向き

|t|=t(t≥0)、|t|=−t(t<0)の二本柱を心に置き、絶対不等式ではtの符号域で式が変わると理解します。弱い不等号は境界を含み、強い不等号は境界を含みませんから、答えが閉区間か開区間かがここで決まります。

距離の言い換えで直感をつくる

|x−a|≤Kは「xがaからK以内」で、a−K≤x≤a+Kと同値です。|x−a|<Kは開区間、|x−a|≥Kは「aからK以上離れる」のでx≤a−Kまたはx≥a+Kと解釈します。距離語に翻訳すれば図が描けます。

基本変形と単調性の使いどころ

両辺が非負なら二乗は同値ですが、片側が負のとき二乗は禁物です。絶対不等式では絶対値の中身を先に整理し、単調増加な操作かどうかを常に確認してから変形します。

一次形の解き方テンプレ

|ax+b|≤c(c≥0)は境界ax+b=0で区間を二分し、それぞれで絶対値を外して一次不等式に落とすのが基本です。最後に二つの解を統合し、弱い不等号なら境界を含めて区間表記に直します。

数直線での可視化と検算

候補区間に境界点を打ち、条件式の向きに合わせて塗りつぶします。塗り終えた図から最小値・最大値の所在が一目でわかるため、絶対不等式の検算は図と相性が良い作業です。

典型の把握を早めるには、絶対不等式の代表形を並べて似て非なる点を押さえます。特に「未満・以下」と「より大・以上」の違いは答えの形に直結するため、表で境界の扱いと解の型を確認しておくと安心です。

読み替え 解の型 境界
|x−a|<K aからK未満の距離 a−K<x<a+K 含まない
|x−a|≤K aからK以内 a−K≤x≤a+K 含む
|x−a|>K aからKより大きく離れる x≤a−K または x≥a+K 含まない
|x−a|≥K aからK以上離れる x≤a−K または x≥a+K 含む
|ax+b|≤c 境界ax+b=0で分割 一次不等式に分解 c≥0

表を確認したら、必ず具体例で手を動かします。例えば|x−3|<2は1<x<5で、|x−3|≥2はx≤1またはx≥5です。絶対不等式の基礎は「距離の日本語→区間の式」に直す往復練習で固まります。境界が負になる場面では「両辺二乗」の前提が崩れないかを都度点検します。

最後に、絶対不等式の答えは区間表記か集合記号でまとめ、図との整合を見ます。これで定義・距離・図の往復が一巡し、以降の二次や連立でも同じ視点が効いてきます。

絶対不等式の分割戦略とパターン認識

絶対不等式は「どこで分けるか」を先に決めれば、後の計算は既知の不等式に帰着します。分割点は絶対値の中身をゼロにする方程式で、複数個生じるときは小さい順に並べ、区間ごとに式の符号を固定します。

境界点の列挙と区間の確定

|f(x)|の境界はf(x)=0で、生の不等式が別に境界を持つなら併せて並べます。絶対不等式の作業は、境界列の作成→区間分割→各区間で絶対値を外す→統合の順で、途中の符号判断は区間代表値で行います。

未満・以下と以上・より大の分岐

「近い」は連続区間、「離れる」は両側へ飛びます。絶対不等式が「以内」型か「以上」型かを冒頭で見抜けば、答えの姿を先読みできます。境界の含み方は、弱い不等号で閉区間、強い不等号で開区間です。

二乗操作の安全条件

両辺が非負なら二乗は単調増加で安全ですが、片側が負なら同値性を失います。絶対不等式ではc≥0を確かめ、c<0なら解なし、c=0なら境界のみという例外処理を最初に済ませます。

典型の分割に迷わないために、絶対不等式の分割手順を箇条書きで携帯します。手順が固定されると、スピードだけでなく検算の習慣も自然に付くため、計算量の多い問題でも精度を落とさずに済みます。

  • 絶対値の中身を整理し、f(x)=0の解を小さい順に並べる。
  • 他の不等式や定義域の境界があれば同じ列に追加する。
  • 分割区間ごとにf(x)の符号を代表値で判定して固定する。
  • 各区間で絶対値を外し、通常の不等式に解を落とす。
  • 未満・以下か以上・より大かで答えの形を先に決める。
  • 境界の含み方を不等号の弱強で統一する。
  • 必要なら二乗を使うが、両辺非負の確認を必須にする。
  • 区間の統合と図での逆検算で終了する。

この手順を守るだけで、絶対不等式の見落としは大幅に減ります。特に最後の統合段階で開閉のミスが多いので、答えを区間と不等式の二重表現にして突合し、整合が取れなければ前段に戻る循環を決めておきます。

まとめとして、絶対不等式の分割は「境界の総当たり→区間内は符号一定→外した式は一次か二次へ」という一本道です。見通しが立てば、例外は「cが負」「定義域制限」の二つだけで、先に排除できます。

絶対不等式を二次式とパラメータで読む

二次式が絶対値に入ると、境界が一つとは限らないため、絶対不等式の区間分割が増えます。頂点と軸でグラフを描き、上に凸か下に凸かを確定したうえで、符号が変わる点を境に絶対値を外します。

おかめはちもくいぬ
おかめはちもくいぬ

二次の山と谷を先に描けば区間が自動で見えるのだ!

ここでは図が主役です。|ax^2+bx+c|≤k(k≥0)なら、まず二次式q(x)のゼロ点を求めて数直線に打ち、区間ごとにq(x)の符号を固定します。次に|q(x)|≤kを−k≤q(x)≤kに落とし、一方通行で二つの不等式を同時に満たす領域を拾い集めます。

頂点・軸・符号の三点セット

頂点x=−b/2aでの値とaの符号を見れば、q(x)の最小値か最大値が一瞬でわかります。絶対不等式ではこの情報から「全域で|q(x)|≤kが可能か」「一部区間のみか」を判断し、解なしの早期判定もできます。

ゼロ点が二つのときの統合

q(x)が符号を変える区間では、|q(x)|の形が左右で反転するため、絶対不等式の答えは複数区間の和集合になります。境界の含み方を両側で揃え、集合記号か区間で統一して書くとミスが減ります。

パラメータkと存在条件

kの最小値・最大値を問う問題では、|q(x)|の最小値・最大値を先に評価します。例えば上に凸なら最小値は頂点で、最大値は両端が無限なら存在せず、定義域制限があれば端点で評価します。

二次の絶対不等式で頻出のすれ違いは、符号一定の区間で不等式を解いたあと、隣の区間の条件を統合しないことです。区間ごとに得られた解が互いに矛盾しないか、グラフ上で帯を塗り、連続性を視覚で保証します。

最後に、パラメータ付きの絶対不等式では、kの臨界値を境に解の個数が変わる分岐図を作るのが近道です。分岐点では境界に等号が付くため、等式の解が新しい解の端点になることを意識します。

絶対不等式をグラフで攻める最大最小

関数y=|f(x)|のグラフは、y=f(x)のx軸より下の部分を折り返して上側に反転したものです。絶対不等式を図に落とすと、領域の上下関係が目視でき、最大最小や領域の長さの評価が直感的になります。

折り返しの操作と傾きの保存

直線y=mx+bならx軸での折り返しは傾きmの大きさを保ちます。絶対不等式で領域を切るとき、折り返し前後の交点や傾きの連続性を意識すると、境界の位置関係を見誤りません。

距離最小化としての読み替え

|x−a|+|x−b|≤Kの型は、点xから二点a,bまでの距離和の制約です。絶対不等式を二点間距離で見ると、最小値は区間[a,b]上で達成され、距離和は端で増えるため、解の構造を先に予測できます。

帯域の長さと測度の感覚

|f(x)|≤kは「x軸周りの帯域」に読み替えられ、帯の厚みや広がりが解の長さに直結します。絶対不等式では帯の上下の境界線を二本描き、その交差部分だけを残す作業が本質です。

グラフ戦略を一望するために、一次・折り返し・帯域という三つの視点を表でまとめます。絶対不等式の作図手順が頭に残れば、計算の前から答えの形を予測でき、見直しの基準線が引けます。

対象 作図操作 読み替え 解像度
y=|mx+b| x軸下を折り返す 直線二本のV字 交点が境界
|x−a|≤K 中心a半径Kの帯 区間[a−K,a+K] 端点の開閉
|x−a|+|x−b| 距離和の評価 区間[a,b]で最小 端で増加
|q(x)|≤k qと−qの間 帯の交差 頂点と零点
|f(x)|≥k 帯の外側 両側の集合 開閉に注意

表の各行に自分の言葉で注釈を付けると、絶対不等式の「式→図→式」の往復が早くなります。特に「帯の内側か外側か」の違いは答えが一体か両側かを左右するため、問題文の日本語を丁寧に読み替えます。

最後に、最大最小は候補点の列挙で落とし切れます。折れ点・端点・臨界点の三つを評価し、絶対不等式の条件下で値が許されるかを代入で確かめ、値域の端を確実に拾い上げます。

絶対不等式の連立・合成と入れ子の扱い

二つ以上の絶対不等式が同時に課されると、共通部分をとる集合演算が必須になります。入れ子の| |が重なる場合は最内層から外側へと順に外し、各層で境界列を更新します。

連立での共通部分の取り方

|x−a|≤Kかつ|x−b|≤Lなら、どちらの帯にも含まれるxの集合が解です。絶対不等式の連立は、二つの帯の交差区間を数直線で描き、短い方の帯が内側に収まる場合はそのまま採用します。

入れ子の絶対値の展開

| |x−a|−b |≤kは内側の|x−a|の値域を先に評価します。そのうえで「距離がbからk以内」という外側の読み替えに移れば、絶対不等式でも入れ子の複雑さが整理されます。

パラメータと存在範囲

連立でパラメータが動くときは、臨界値で答えの位相が変わります。絶対不等式では、端が触れる瞬間を等式で表して境界曲線を描き、内外の判定を一気に切り替えます。

合成・入れ子の型は見た目の複雑さに反して、操作は単純な反復です。最内層の絶対値が作る帯を評価し、その値に対する外側の帯を重ね、交差部分のみを残すと決めましょう。これで絶対不等式の多層構造も一本道になります。

手早く使える指針を七つにまとめます。絶対不等式の現場では、境界更新のたびに列を再整列し、図と式の同期を崩さないことが要です。次のリストを演習の前に声に出して確認してください。

  • 最内層の値域を先に確定し、帯の位置を描く。
  • 外側の条件は値域に対する距離制約に読み替える。
  • 境界が増えたら列に統合し、小さい順に並べ替える。
  • 各区間で式の符号を固定して絶対値を外す。
  • 連立なら和集合でなく共通部分を選ぶ。
  • 等号の扱いは全条件で統一し、開閉を混在させない。
  • 最後は図で逆検算し、見落としをゼロに近づける。

この七則が身に付くと、絶対不等式の合成問題でも落ち着いて帯の重なりを追えます。複雑な記号に惑わされず、距離の日本語と図の運用で本質に戻るのが最短経路です。

絶対不等式で陥りやすい誤りと回避術

計算力のある学習者でも、絶対不等式の境界と開閉の扱いで点を落とします。ミスはパターン化しているため、先に知り、先に避ける仕組みを作れば確実に減ります。

開閉の取り違えと二乗の暴走

「未満」と「以下」を取り違えると、端点の有無で失点します。二乗は単調性が壊れない範囲でのみ許可され、負の両辺での二乗は解集合を壊します。絶対不等式ではこの二点を最優先で監視します。

分割忘れと代表値の未確認

境界の列を作ったのに、区間を分けずに一息で外すと式が破綻します。代表値の確認は短時間で済むため、絶対不等式では必ず「符号固定→外す→解く」の順を守ります。

図と式の不一致

図の帯が左に寄っているのに、式が右寄りの区間を返すなどの不一致は頻出です。絶対不等式の答えを区間と集合記号で二重に書き、図で逆検算すれば整合が取れます。

典型ミスを避けるには、絶対不等式のチェックリストを携帯しましょう。現場で一つずつ指差し確認をすれば、焦りによる取り違えが劇的に下がります。以下の表は試験直前の最終確認にも有効です。

確認項目 はい/いいえ 備考
cの符号を確認したか □/□ c<0で解なし、c=0で境界のみ
境界列を作り整列したか □/□ ゼロ点と定義域の端を統合
区間代表値で符号を固定したか □/□ 外す前の必須手順
開閉を不等号に合わせたか □/□ 端点の丸塗りと白丸
図で逆検算をしたか □/□ 帯の内外と一致確認
答えの表記を統一したか □/□ 区間か集合で統一

チェック表を通せば、絶対不等式に特有の取り違えはほぼ網羅的に抑えられます。時間がないときほど、二乗の条件と開閉の整合だけは外さないよう、赤で囲っておくと安心です。

絶対不等式の演習テンプレと仕上げ

最後は手を動かし、絶対不等式の手順を身体化します。例題では型と理由を毎回言語化し、境界→分割→外す→統合→逆検算という順を声に出してなぞります。

おかめはちもくいぬ
おかめはちもくいぬ

境界と開閉を声に出して確認するのだ?

演習では、まず問題文を距離の日本語に翻訳し、図を描きます。そのうえで分割を実施し、各区間で絶対値を外して通常の不等式に落とし、最後に図と照合します。絶対不等式は声に出す確認と図の併用で精度が上がります。

テンプレート(一次)

①中身t(x)を整理→②t(x)=0で境界→③区間代表値で符号固定→④|t(x)|≤cなら−c≤t(x)≤c→⑤解を統合→⑥図で逆検算。絶対不等式の一次形はこの六手で完結します。

テンプレート(二次)

①qの頂点・零点→②符号一定の区間で外す→③−k≤q≤kを同時に満たす領域→④境界の開閉統一→⑤帯の長さや値域の評価。絶対不等式では候補点を端点・折れ点に限定して評価します。

小さな演習

例1:|x−2|<3は−1<x<5。例2:|2x−1|≥3は2x−1≤−3または2x−1≥3よりx≤−1またはx≥2。例3:|x^2−4|≤3は−3≤x^2−4≤3を同時に満たす領域で、−1≤x^2≤7よりx∈[−√7,−1]∪[1,√7]です。

これで演習の基本線は整いました。絶対不等式の答えを出したら、区間の端の開閉に丸印を付けて図と一致させ、未満・以下、以上・より大の読み替えを毎回声に出して確認すれば、最後の取り違えが消えます。

まとめ

絶対不等式は「距離の日本語→境界列→区間分割→外す→統合→逆検算」の一本化で迷いが消えます。cの符号確認、開閉の統一、図との突合という三点の実務基準を持てば、一次から二次、連立まで同じ型で押し切れます。今後は問題に出会うたびに境界を先に書き出し、代表値で符号を固定してから外す手順を徹底して、安定した得点に結びつけてください。